先日、TOKIOの長瀬智也さんの退所が発表されました。
長瀬さんは2021年3月をもってジャニーズ事務所を円満退社するとのことです。
ジャニーズ事務所に所属していた期間は29年間。
現在の社会では、一つの企業に務めていた期間と考えると長い方だと思います。
しかしながら、ジャニーズ事務所ではここ数年で、多くの所属タレントが退所しています。
これには、事務所の経営方針の意向や独占禁止法の警告なども絡んでいるともいわれますが、他の大手タレント事務所でもこうした傾向は見られています。
わたしは、ここ数年で変わってきた社会の変化が、タレントの独立を後押ししていると思います。
ジャニーズ退所が増えてる理由は以下の3つと考えます。
- 事務所じゃなくても個人で仕事が受けれるようになった
- テレビ以外の方法でタレント活動ができるようになった
- SNSでファンとのコミュニケーションができるようになった
ここでは、一個人の感想として、意見を書かせていただきます。
事務所じゃなくても個人で仕事が受けれるようになった
ジャニーズ事務所では、SMAPの解散を筆頭に、赤西仁、田中聖、田口淳之介といったKAT-TUNのメンバー、渋谷すばる、錦戸亮の関ジャニ∞、NEWSの手越祐也など、ビッグネームの退所・独立が目立つようになりました。
1995年に解散した光GENJIまでは、グループの活動期間は数年と短いものでした。
しかし、光GENJI以降SMAPが解散するまでの約20年もの間、ジャニーズグループの解散はありませんでした。
これは、ジャニーズに残って活動を続けていたほうが、タレント生活が安泰であったということでしょう。
光GENJIまでのジャニーズ所属のグループは、ある程度の年齢になると解散・独立してタレント活動を継続していました。
なぜなら、独立して自分のやりたい方向に舵をとるという選択と裏腹に、ジャニーズ事務所の看板がなくたって仕事がもらえるかとうい不安もあったためです。
そのタレント側のニーズに応えるため、事務所側はアイドル活動以外の仕事をどんどん増やし、所属タレントのまま、さまざまな方面の仕事を続けられるようにしてきました。
こうした企業努力のおかげで、タレントと事務所はWIN-WINの関係になっていったのです。
しかし時が流れ、スマホが普及し始めた2015年以降、一部タレントたちはSNSをうまく活用し、ファンを増やしてきました。
今では、Youtube出身や、twitterからどんどん新しい世代のタレントたちが生まれてきています。
もはや、芸能事務所を介さずタレント活動をしている人が出てくる時代になりました。
個の時代の始まりです。
一足先に退所したKAT-TUNのメンバーは、インディーズレーベルで音源を発表したり、SNSやインターネットを巧みに使いながら、タレント活動を続けています。テレビでの露出度は減りましたが、今でも多くのファンがいて、職業として成り立っているように見えます。
テレビ以外の方法でタレント活動ができるようになった
数年前までメディアのトップはテレビでした。
それが今や、テレビの人気はどんどん下がり、ネットに逆転される勢いです。
Youtubeやニコニコ動画など新しいメディアが台頭してきました。
これまで、テレビ局と芸能事務所は関係性が強く、事務所に所属していなければ、ほとんどテレビにでることは出来ません。
特に若手やデビューしたてのタレントは芸能事務所に依存するしかなかったのです。
タレントとしてキャリアを積んでから、独立して個人事務所で活動するというのが業界の常識でした。
それがYoutubeが躍進により、芸能業界に大きな変化が出てきたのです。
スマホの進化により、若い年代ではテレビよりもスマホでYoutubeを観る時間が多くいなっています。
Youtubeでは事務所にも所属していない個人ががクオリティの高いコンテンツや楽曲を発表し続け、一般人から一気にスターに駆け上がるシステムが構築されつつあります。
こうしたタレントやアーティストは、YoutubeやSNSを中心に活躍しファンを増やしています
そして、テレビに出なくてもちゃんとマネタイズが出来ています。
これがタレントの事務所離れの大きな要因ではないかいと思います。
SNSでファンとのコミュニケーションができるようになった
SNSという大きな武器を手に入れたタレントたちは、「評価経済」「個の時代」といった社会の流れに乗り、大きな事務所を必要としなくなってきたのではないでしょうか。
「評価経済」とは岡田斗司夫さんが著書『評価経済社会』で2011年に論じた、お金よりも個人の評価が重要視され流通する社会と定義つけています。
こうした社会では、SNSのフォロワー数やYoutubeのチャンネル登録数など、SNSメディアの露出が多く影響力が大きな人が活躍しやすい社会です。
もともと芸能人は知名度があるため、こうした「評価経済社会」には向いているのではないでしょうか。
こうした流れを受けて、独立して自分が好きなことをやっていってもマネタイズができると確信し、ジャニーズ事務所からの退所が増えてきていると考えられます。
個人の魅力が評価される こうした個人を評価する時代が芸能界のみならず、日本の企業の構造を変えていくでしょう。